祖父との会話



庭を愛した祖父。

祖父と仲がよかった私は
ちいさな頃から縁側に座る祖父をみつけると
隣にぴったりと寄り添い ちょこんと座り
ながいあいだ庭をただただ一緒にながめていました。

これといって話はせず
私は飛んでくる蝶や鳥や 花を葉をみつめ
時折祖父の顔を下から覗きこむと
いつも祖父はとても優しい眼差しで満足そうに
「いい庭だろ?」
と微笑んでくれました。



先日 造園業者さんとお話をする機会があり
いろいろと庭の木や石、そして建造物について
勉強をさせていただきました。

お客様に聞かれても
まともに説明ができないことにコンプレックスもあり
ここぞとばかりペンとノートをもって!
業者さんといっぱい蚊にさされながら
庭の中をあっちへいったり、こっちへいったり。
質問の嵐。

お帰りになる頃には
なんとか自分の好きな石と それに似通ったものは
種類と採掘場所を限定できるようになりました。



プロ中のプロの方のお話はやはり凄いもので
庭がどの時代に手をいれられているか、
どの時代にどの業者さんが入られたか、
どの時代の物がどこからどのように持ち込まれたか、
そして驚いたことに
今の形の庭になるずっと以前の形まで ほぼ言い当てられました。
(私が生まれる前の庭の様子は、写真がのこっています)




そんな驚きがいっぱいの2時間半のうち
夫々の石や木、意匠、建築物の説明頂きながら
最も意外だった言葉が何度も耳に飛び込んできました。

「実に繊細だ」




私にとってはただただ優しい祖父でありましたが
親族や祖父を知る方々から聞く祖父を表す言葉はいつも

  大胆、激、厳、華、優


ひとり海外へ渡り、事業を起こした私の知らない祖父像は
いつのまにか
お話をしてくださったみなさんの印象を総合したものになっていました。





業者さんが帰られてから
しばらくひとり庭を歩き
祖父と長い時間を過ごした縁側にこしかけ
頂いた説明を頭の中で整理しながら
祖父の愛したモノたちをゆっくりと 
あの懐かしい時をすごした時ようにみつめてみると

そこには
今迄私の中には存在しなかった
祖父が そこで
私をみつめているようでした。
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by mignon51 | 2013-09-07 09:34 | Words from You
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